Last day before the funeral 01

「父親と最期の別れまでの7日間」シリーズは、僕の父親が突然亡くなった日から葬式当日までの7日間を記録したもの。いわゆる日記のような内容で、僕自身の記録として残させてもらいたい。

家族との別れは一瞬。予知できる場合もあるが、突然来ると後悔が残る。このシリーズを読んで家族のことを想い、実家に顔を出したり、食事をしたり、家族と時間を過ごすきっかけになったら幸いです。

今日は葬式前最後の面会だ。葬儀場へ向かい、父親に会ってきた。

お線香を立て、棺の中を軽く覗き込む。父親の顔は非常によく整っていた。薄く化粧もされ、整いすぎていたぐらい、整っていた。まあきっとこれぐらいで良いのだろう。

父親は恰幅が良いほうだ。顎の肉が重力で落ちてきたのか、二重顎に拍車が掛かっていたようにも見えた。「顔は大きいけど、ここまで大きかったけえなあ」と母親は笑いながら言う。まあガリガリに痩せ細っている父親よりも、見慣れた父親のほうがずっと良い。

一般的にはあまり期間を開けずに葬式をするため、1週間も開くとなれば故人の状態を保つために色々と課金する必要がある。なかなかの出費にはなった上に、課金したからこそ今の状態なのかを確認する術はないが、少なくとも親父本来の姿に近い形で見送れることになりそうで、ホッとした。

弟が「ところで父さんは普通の人が入るような棺に収まったのかな?」と指摘。確かに。父親の体格では少し窮屈かもしれない。まあちょっとの間は我慢してくれよ、父さん。あとちょっとでおじいちゃんとおばあちゃんに会えるからね。

それなりに顔を見たが、あんまり顔を直視できなかった。明日はいよいよ本当のお別れ。直視したら号泣する気がして、少し控えめにした。

面会が終わったとは、葬儀会場を見させてもらった。遺影に使われている僕が撮った写真は、父親の優しい性格を体現したかのような写真。会場全体を見守るような表情で良い。

価格:1,170円(掲載時)
著者:加納 敏彦(著)
出版社:PHP研究所